テレワーク企業にも、働く人にもメリットが大きいテレワーク Photo:PIXTA

東京オリンピック・パラリンピックの開幕まで1年となった。大会期間中には都内を中心に混雑が予想されるが、その解決策として期待されているのが「テレワーク」だ。柔軟な働き方として注目度も高いが、日本企業には浸透するのだろうか。すでにテレワークを活用している企業と、制度上の問題に詳しい専門家に話を聞いた。

オリンピックは契機となるか?
今一つ普及しない日本のテレワーク

 総務省、厚労省ほか関係府省と東京都は、東京オリンピック開会式にあたる7月24日を「テレワーク・デイ」、この日を含む7月22日~9月6日までの1ヵ月間を「テレワーク・デイズ2019」と題して企業・団体に積極的なテレワーク実施を呼びかけた。自宅など、働く場所を自由に選べるテレワークの実施により、オリンピック期間中の混雑緩和をめざす。

 ただ来年に向けての予行練習をするだけではない。イベントをきっかけに、柔軟な働き方の実現や企業のコスト削減など多くのメリットがあるテレワークを広く普及させるのが真のねらいだ。政府は、2012年に11.5%だった企業のテレワーク導入率を、2020年には12年度比で3倍にすることを目標に掲げている。

 ところが、2018年の総務省「通信利用動向調査」によれば、昨年時点でテレワーク導入企業は2割弱。さらに、その導入企業においてもテレワークを利用する従業員の割合は「5%未満」が最多と、定着というには程遠い。

 そんな中、実際にテレワークを導入し、活用を進めている企業ではどのような工夫がなされているのだろうか?