多様な働き方が求められる中、いまサラリーマンの起業や副業が注目を集めている。起業・副業のノウハウを紹介する本が数多く出版され、起業セミナーも連日のように開催されているが、なかなか成功できずに、次から次へと手法を学ぶだけの起業難民も多いという。では、どうすれば起業ができるのか――。これまで1万人超の起業をプロデュースし、『会社で働きながら6カ月で起業する』を上梓した新井一氏に、そのポイントを聞く。

起業に必要な
「知」のチカラとは?

 起業をして、そのビジネスを軌道に乗せていくには、「知」「人」「金」のチカラをそれぞれバランスよく育てていかなければいけません。

 では、「知」のチカラとは、どんなものでしょうか。

 これは経験に基づいた知恵や知識のことです(※資格取得などのために勉強しただけの知識のことではありません)。

 起業に必要な知識は、完璧を目指せば無限といっていいほどありますが、最低限欲しいものは3つだけです。

 ひとつは、これから取り組むビジネスについての専門知識です。

 そういうと、とたんに「自分には専門知識はない」と不安を感じる人がいます。ですが、そんなに難しく考える必要はありません。完璧主義は、起業準備の最大の敵のひとつです。もっと気楽に考えてください。学者や研究者になるわけではありませんし、実際にビジネスを始めれば、現場で必要な知識はどんどん身についていきます。いわば、お客様に鍛えられていくのです。

 起業のネタを決める際に、自分の好きなことや得意なことを軸に考えるのなら、関連書籍を数冊読み込んでおけば最初の知識としては十分です。起業に対する不安から、インプットに力を注ぎすぎて、学校に通い出したり、資格取得に走ったりする人を多く見かますが、それは順番が逆です。