ボードゲームを広めるために
ところ構わずに突撃する!!
また、出会った人に「ボードゲームはドイツが有名ならドイツ大使館に連絡してみたら?」とアドバイスをもらったので、素直に大使館に直接連絡をしたところ、ドイツと日本をつなぐ活動を行っている団体「日独協会」を紹介していただけました。
日独協会は、さまざまなイベントで日独交流を行っている団体なのですが、すでにドイツのボードゲームを使ったイベントを開催していました。
しかし、初回に用意してあったボードゲームは、主催者のドイツ人の方が地元から持ってきたものであったため、日本語のルールブックが入っておらず、日本人の参加者はドイツ語が読めずに遊ぶことができなかったそうです。
そこに僕がボードゲームで何かやりたいと言ってきたので、先方は喜んで第2回から一緒にボードゲームのイベントをやることになりました。このイベントで、僕はボードゲームをまったく知らない人にゲームを提供する楽しさを実感することができました。
シェアハウスに泊まらせてもらってゲームを提供
また、イベントで知り合った友人から、「起業家だけが住んでいる面白いシェアハウスが六本木にある」と聞いて、連絡し、ボードゲームを持ち込んで訪問。そのときに、そのシェアハウスの管理人の野村岳史さんと、初対面でボードゲームをして盛り上がり、そのまま僕もそのシェアハウスに住むことになりました。
起業家だけが住むシェアハウスというだけあって、起業のイベントがあるから一緒に行こうと誘ってもらったり、住人が知り合いを連れてきて交流パーティをしたりと、今までの実家暮らしでは到底できないような非日常の経験ができ、自分の枠がとても広がっていく感じがしました。しかも六本木在住です。
今や有名な、ベンチャーキャピタルのサムライインキュベートの榊原健太郎さんがひょっこりやって来て話をしたり、自分でもそこでボードゲームのイベントを開催したりと、いろいろチャレンジしてみる経験も多くできました。
僕は実際に住んでみて、いかにシェアハウスが面白い場所かがわかり、他のシェアハウスにもボードゲームをやりに行こうと考えました。東京にあるシェアハウス100件以上にSNSやメールを使って、片っ端から連絡をして、興味を持ってくれたところにボードゲームをやりに行ったのです。
そのうち、「僕がボードゲームを持参して、交流エンターテイメントを企画します。その代わりに泊まらせてください」と提案し、多くのシェアハウスにタダで泊まり歩くようになりました。
大きめのトランクに自分の最低限の着替えと、入るだけのボードゲームを詰めてガラガラと引きながら、今日はここ、翌日はあそこ、と旅行者のようでした。この方が、一緒にご飯を食べたりできるので、さらに深い交流ができるようになりました。
シェアハウスをいろいろ回って、次に目をつけたのが、コワーキングスペースでした。コワーキングスペースは、これから何か新しいことをやりたいと思っている人が多いと感じたので、シェアハウスと同じ要領でやはり100件以上に片っ端からコンタクトをとって、ボードゲームをやりにいきました。
この頃にお会いした、銀座の一等地にあった広いコワーキングスペース『the SNACK』では、店長の五十嵐慎一郎さんと意気投合して、よくボードゲームのイベントをさせてもらいました。銀座なのに、秘密基地のような部屋のつくりでワクワクする場所で、個人的なイベントでもよく使わせてもらったりしました。その場所を利用している人たちは、起業している人やフリーのクリエイターも多く、面白いことをやっていたので、この場所でも知り合いがだいぶ増えました。
こういった活動が、のちのクラウドファンディングで支援してもらうつながりのひとつになるとは、その頃は思ってもみませんでした。