東京五輪公式ツアー建設中のオリンピックスタジアム。東京五輪公式ツアーは、庶民が申し込みたくとも申し込めない価格設定のものばかりです Photo:PIXTA

 今週、東京五輪2020のパートナー企業である旅行代理店各社から、オリンピック公式観戦ツアーの概要が発表された。いずれも一定の受付期間を経て、抽選で当選者が決まるシステムだ。

 観戦チケットが第1次抽選販売で当たらなかった人、当たったけれど本命のチケットは入手できなかった人にとって、ツアーとセットで入場券が手に入る旅行商品は期待の的になっていた。が、発表されたツアーの内容や代金を見て、期待はしぼみ、サーッと、熱が冷めて打ちひしがれた人が多いのではないだろうか?

誰が行くんだ、これ!
JTBの目玉は450万円ツアー

 JTBの目玉は、「18泊19日、京王プラザホテルのスイート2名1室利用、お1人様450万円」。

「よ、よんひゃく50万円! 誰が行くんだ、これ!」と、突っ込みを入れつつ、サーッと腰が引けた人が日本中に大勢いただろう。開会式A席(30万円)、閉会式A席(22万円)がセットになっている。連日1種目ずつのプログラム。柔道、体操、ソフトボール、水泳、バドミントン、陸上、卓球、バレーボール、サッカー、野球、新体操……。そのラインナップを見れば、「そりゃ、お金があれば行きたいさ」と、空しく呟く以外に手がない。そして、心の中にぽっかり穴があく。

「東京オリンピックで国民に希望を与える、日本を元気にする」

 そんなメッセージが空しく響く。そうか、東京五輪2020は、「さあ皆さん、お金持ちしか幸せになれません。人生を謳歌したければ、ウソをついても何をしても、お金持ちになることです」という現実を思い知らせるためのイベントなのか、と私は思ってしまった。