450万円ツアーを計算すると
チケット代はたった133万円!

 さて、改めて450万円のツアーだが、計算してみると、ツアーに含まれるのは18種目と開会式、閉会式。ほとんど最高値のA席だが、ソフトボールなど3日だけはB席となっている。手元の計算が間違っていなければ、チケット代の合計は133万4800円。あれ?ツアー代金はそれより約316万円以上も高い!これが宿泊費や移動交通費など?

 いくらなんでも、パートナー企業が独自枠で入手できる入場券の付加価値に値段を乗せすぎていないか?

 東京五輪組織委員会は、チケットの不正転売を厳しく禁じている。それを国家的に断行するため、略称『チケット不正転売禁止法』が6月14日に施行された。来年公開が予定されている、不要になったチケットのリセールサイトでも「定価で売買される」という。

 いわゆるダフ屋の暗躍を阻止し、また近年では当たり前になっているネット・オークションでいたずらに価格が高騰し、善良な国民や海外からの訪問客が被害を受けないようにとの意図だと一般には理解されている。

 しかし、チケットの価格を巧妙に吊り上げているのは、組織委員会とパートナー企業の方じゃないかと感じてしまう。

 入場券が売り出され、ツアーが発表され、東京五輪組織委員会の一般の国民からはかけ離れた金銭感覚が明らかになった。彼らの視線が向いているのは多くの国民の方でなく、一部の富裕層やパートナー企業。そして、自分たちの懐にザックザックと運営費を回収するための収益が飛び込んでくる方策しか頭にないのではないかという実感が増してくるのは私だけだろうか。

(作家・スポーツライター 小林信也)