7月16日に開かれた米上院銀行委員会の写真
7月16日に開かれた米上院銀行委員会。リブラ事業を担当するフェイスブック幹部、デビッド・マーカス氏に対して、厳しい質問が相次いだ 写真:米上院銀行委員会より

米フェイスブックが6月に発表した仮想通貨・リブラの構想は、世界の金融当局から厳しい目が集まっている。世界にユーザー24億人を抱えるSNSのガリバーが仮想通貨を導入したら、どんなインパクトが金融と社会にもたらされうるのか?デジタル・エコノミーを熟知したIT評論家、尾原和啓氏がわかりやすく解説した。

フェイスブックの仮想通貨に
世界中から噴き上がる反発

 米フェイスブックが6月、デジタル通貨「リブラ」の構想を発表しました。ブロックチェーン技術を使い、グローバルな通貨と金融インフラを作る、といいます。このリブラに対し、世界からは猛反発が出ています。7月中旬のG7(先進7ヵ国)財務相・中央銀行総裁会議では金融政策への支障やマネーロンダリングの懸念があるとして、「最高水準の規制が必要」という見解が示されました。同時期の米上下両院の公聴会でも、個人情報管理を疑問視する声が続出しています。

 フェイスブックといえば、8700万人分の個人情報を不正流用した事件があり、つい先日には50億ドルの巨額制裁金を米連邦取引委員会から科せられました。この企業が、通貨のような極めて重要なものに関わることが不安を招いているのかもしれません。