かんぽ生命・日本郵便の「ノルマ廃止」を信用してはならない保険の不適切販売問題を受けて会見する日本郵便の横山邦男社長(左)とかんぽ生命の植平光彦社長 Photo:JIJI

経営責任に直結するレベルの大問題

 生命保険の販売をめぐって、保険会社であるかんぽ生命保険と、保険を販売している日本郵便は、底なしに悪いのではないか。

 次から次へと不祥事が報じられる両社だが、大きくは次の二つの問題に整理できそうだ。

 日本郵便が行っていた不適切な保険販売の問題と、4月に行われたかんぽ生命株式の売り出しが適切に行われていなかったのではないかという問題だ。いずれも経営者の責任に直結するレベルか、あるいはそれ以上のレベルの重大性を帯びている。

 まず一つ目の問題、かんぽ生命の委託を受けて同社の保険商品を販売していた日本郵便、端的に言って郵便局で行われていた保険販売の多数にわたる不正について取り上げよう。

 当初、前の保険契約を解約させて次の保険に加入させる営業を行う際に、顧客が無保険状態になるケースが報じられた。そもそも「次の保険」が、顧客にとって本当に必要なのか、顧客は本当に次の保険を求めていたのか、顧客にとっての経済的効果(つまり保険乗り替えの損得)を正確に説明して勧誘していたのかどうか、の3点について大いに疑義があり、そもそも保険の販売としてまともな営業行為の範疇に入るものなのかどうかが怪しい。

 さらに、新旧契約の保険料の二重取りを行っていたケースが報告された。