引責辞任は完全否定で“居直り”どころか
後藤副社長はキャッシュレス“再チャレンジ”を宣言

辞任を否定した“居直り”後藤克弘副社長辞任を否定した“居直り”後藤克弘副社長 Photo by Satoru Okada

 だが記者会見で経営責任を問われた後藤副社長は、「原因の調査と再発防止に全力を尽くす。デジタルと経営は切り離すことはできない。セキュリティを強化していくのが経営責任の取り方だ」と強調。減俸などの処分についても「プロジェクトの調査結果が出てから社内基準で決める」として、「辞任する考えは、今はない」と断言した。

 後藤副社長はかつて、セブン-イレブンの“生みの親”である鈴木敏文HD名誉顧問の秘書を努めた経験があるが、16年に鈴木氏が会長の座を追われたクーデターでは反鈴木派に回り“風見鶏”との人物評がある。そうして、井阪隆一HD社長に次ぐ副社長の地位に就いたわけだ。現体制は「井阪・後藤体制」とも呼ばれるほどであり、後藤副社長なくして会社は回せない、ということなのだろう。

 もちろん、そんな社内事情が世間に通じるはずはなく、通常ならば経営責任を負う立場だ。それでも結果として、今回のトラブルの原因を生み出した後藤副社長以下、担当幹部たちは現時点で、辞任はおろか処分すら受けていないのである。7月4日、不正利用について最初に記者会見し、二段階認証について「二段階云々」と発言して不興を買った7Payの小林強社長は、8月1日の記者会見にすら現れず、進退についてもアナウンスされなかった。

 後藤副社長は「失った信用を取り戻すのは大変だが、7Payという名前でもう一度チャレンジしたいということではなく、バーコードやQR決済でチャレンジしていきたい」とさえ口にした。

 不正利用の被害者や、苦情対応に追われる加盟店、そしてキャッシュレス決済に取り組むあらゆる関係者にしてみれば、問題の解明と責任の明確化が信用回復の第一歩だ。再度の失態を引き起こしかねない“居直り”は、頼むから勘弁してほしいというのが本音ではないか。