“通勤のこだわりは?”と質問して、やはり電車内での過ごし方に関連する答えを返した人が多いところから鑑みるに、通勤と電車は深く結び付いているようである。

 電車移動は基本的に暇だが、逆にいうと暇を持て余すくらいの余裕があるので、各々やりたいことに精を出せる。

「片道1時間弱かかるので暇を持て余しがちだったが、VODのアプリを入れてから通勤時間が充実。家で映画をスマホにダウンロードしておいて、電車でこれを見るようになった。大体1日1本見られる」(Aさん・34歳男性)

「お笑いの動画を見ている。行きの電車で見たいものをピックアップして、帰りの電車でそれを見るのが好き。このサイクルだと、会社で嫌なことがあっても帰りの電車が楽しみだからがんばれる。会社や電車内でストレスを感じても、笑うことでそれを発散できるのがいい。もちろん電車内だから大っぴらには笑えないけれども」(Bさん・36歳男性)

 このあたりは同様のこだわりを持つ人が多そうである。ザ・スマホの恩恵という感じで、文明の利器によって通勤時間が有意義になっているのだから重畳である。

 一方、まれに車内で本を読んでいる人を見かけることがあるが、この人の場合はスマホ社会に対するある種のアンチテーゼであった。

「普段あまり読書の習慣がないので、通勤時間だけでも本を読もうと思って。速く読めるようにもなりたいので、『次の駅に着くまでにこの見開き1ページを読み終える』と目標を持ってやっている。

 車内ではスマホをいじっている人が多いので、『自分は違う』というところを主張したくて読書を選択している、というのもある」(Cさん・29歳男性)