「最大20%引き」よりも
インパクトのある施策がある

「無料」が人の心にもたらす効果は絶大です。
「一律2%引き」よりは「50人に1人は無料に」という方が、顧客心理に与えるインパクトははるかに大きい Phot:PIXTA

 最近はQRコードを使ったキャッシュレス決済が増えてきている。この拡大に輪をかけているのが、無料キャッシュバックキャンペーンである。最近では複数社が合同で「最大20%戻ってくる! キャンペーン」も実施され、利用者は増えているようだ。

 筆者自身はいくつかを試しに使ってみたものの、○○ペイというQRコード決済の普及自体にはやや懐疑的ではあるが、少なくともこうしたキャッシュバックキャンペーンをやっている間は利用者も増え、話題にもなるだろうと思う。

 今回考えてみたいのは、こうした“使えばその一部がキャッシュバックされる”というタイプではなく、一定数の購入者が抽選で購入代金が全額無料になるというサービスがあったら、ということだ。

 例えば、洋服を買いにお店に行く。そこで「購入いただいた方の中から、その場でクジを引いていただき、当たりが出たら、その方の購入代金を無料とし、全額キャッシュバックいたします。これは50名に1名様の確率です」というキャンペーンが行われていたとしたらどうだろう?これはかなり話題になるような気がする。仮に隣の店では「一律に3%割引」という看板がぶら下がっていたとしても、「その場で抽選、高額商品でも50人に1人が無料!」と看板が出ていたら、こちらの方に買いに行きたくなるのではないだろうか?
 
 実はこれ、実際に行われたことがある。今から17年前だが、2002年の1月15日から3月31日までの76日間、全日空が実施したキャンペーンはかなり衝撃的だった。

 どんなキャンペーンだったかというと、空港で自動発券機を使ってチケットを受け取ると、その場で50人に1人の確率で航空券が無料になり、カウンターでキャッシュバックされるというものだ。「楽乗キャッシュバックキャンペーン」と名付けられたこの企画、当時はまだまだ自動発券機を使ったセルフサービスでチケットを受け取る乗客が少なかったことから、将来の無人対応に向けて自動発券機の利用促進のために実施したキャンペーンだったのだろう。

 一体何が衝撃的なのか?ここで当たった場合の光景を想像してみよう。友達や家族何人かで旅行に行く。あるいは同僚や上司と一緒に出張に行くという場合、空港のロビーにある何十台もの発券機を操作して当たりが出たとする。例えば東京から大阪へ行くビジネスマンに当たりが出たら、約2万円がタダになるのだ。

 同僚と一緒だったら、“やった!”と大騒ぎになるだろう。1人だとしても発券機の周りの係員から「おめでとうございます!カウンターで現金をお受け取りください!」と言われたら、周りの人は一体何事があったのか、と気になる。