あの企業はどこが強いのか?顧客を虜にするビジネスモデルの「甘い罠」
顧客にメリットを与える仕掛けが、企業の収益に直結しているタイプの企業は強い。彼らのビジネスモデルの共通点は、手がける商品やサービスに、顧客を虜にして離さない「罠」のような魅力があることだ(写真はイメージです) Photo by Ryosuke Shimizu

なぜ「最強」なのか?
顧客を虜にするビジネスモデルとは

 強いビジネスモデルには「罠」がある――。

 成功しているビジネスモデルが、顧客にとって価値が大きいことは間違いない。それがなければ、売り上げが継続的に入ってこないからである。しかし、そうしたビジネスモデルを構築・維持することは、口で言うほど簡単ではない。

 実際、企業と顧客のメリットが必ずしも一致しない、あるいは一部しか一致しないビジネスは世の中に数多くあり、企業はそうした商品やサービスを顧客に売り込むために、多大な人手、時間、コストをかけている。

 それに対して「最強のビジネスモデル」は、顧客にメリットを与える仕掛けがそのまま企業の収益に直結している。そうしたビジネスモデルを持つ企業の商品・サービスは、顧客にとって「罠」のようなものが多い。甘い蜜の匂いで虫を招き寄せ、生け捕りにする美しい植物のようなイメージだ。

 一旦「罠」をつくり上げてしまえば、お客は自ら吸い寄せられてくる。必要以上の人手、時間、コストをかけてお客にアピールすることもないから、企業にとっては実に効率的な仕組みとなる。

 本稿では、そうした「最強のビジネスモデル」を持つ商品・サービスを紹介し、それらが生み出された経緯の分析を通じて、企業やビジネスパーソンに成功するビジネスモデルのヒントを提供したい。何気ないビジネスモデルの中に、“天使と悪魔が共存”している現実を見ていこう。

おまけのような「祝い金」がカギ
リブセンスが回す成功報酬モデル

 まず取り上げるのは、人材紹介事業で成長してきたリブセンスである。業界最大手のリクルートは、企業から定額の広告費を事前にもらって人材を紹介するビジネスモデルなのに対して、リブセンスは採用が決定したら就職先企業から成功報酬をもらうビジネスモデルである。

 リブセンスの成功報酬モデルは、リブセンス経由で人材を採用できた企業が、それをリブセンスに報告して報酬を払わないと、成り立たない。悪質な企業が、リブセンス経由で採れた人材を「直接自社に応募してきた」として“ダマテン”すれば、リブセンスの収入はゼロになってしまう。