ワールドベースボールクラシック(WBC)が盛り上がっている。日本では、連日ゲームを放映しているテレビ局が、高視聴率をたたき出し話題になっている。イチロー、松坂大輔などのメジャーリーガーが、「日の丸」を背負って戦うとなれば、そうした興奮は当然なのかもしれない。
しかし、小学校6年間、寝食を忘れるほどの野球少年だった筆者は、どうしても興奮できない。その原因のひとつは興ざめな組み合わせルールにある。
きょう(3月18日)、日本は韓国との戦いに敗れて4強入りを逃した。今大会、日本が韓国と対戦したのは、予選をあわせて3回に及ぶ。前回大会を含めれば、実に6回。なぜこうも同じ国同士がぶつかるのだろうか。
じつはそれも当然なのだ。世界16ヵ国・地域で争われるWBCは、組み合わせの不備によって、最初から、同じチームと何度も対戦することが運命付けられているのだ。
イチロー選手が「別れた恋人と街でばったり再会した感じ」と揶揄したのも、そうした運営方法にある。
選手も指摘するこの不公正な組み合わせルールに、筆者のしらけの最大の要因がある。
米国が決勝まで
強豪と対戦しない仕組み
スポーツは公平なルールのもと、同じ条件で実施されるから面白い。一定のチームが有利になるようなことになれば、即、楽しさは半減する。まさに、WBCに抱く不信感はそうした不公正な条件を抱えていることにある。WBCの公式サイトによれば、今回の組み合わせルールも、前回とほぼ同様、次のようなものになっている。
http://web.worldbaseballclassic.com/
まず、16の国・地域を4チームずつの4組に分けて、4つの地域(日本、カナダ、プエルトリコ、メキシコ)で第1ラウンドを行なう。その各上位2チームが、つまり、合計8チームが米国で行なわれる第2ラウンドに進む。そこから4チームずつの2リーグに分かれて戦い、それぞれの上位2チームが決勝トーナメントに進出する。決勝の4チームで準決勝、決勝を行い優勝を決めるというものだ。
疑義があるのは第2ラウンドの組み合わせルールだ。開催地が米国で固定されているのは仕方ないとしても、第一ラウンドでの対戦プールまでも固定してしまっているため、米国は、日本、韓国、キューバなどの強豪と決勝まで顔を合わせることがない。つまり、米国が、ほとんど無条件で決勝まで進出するようにあらかじめ運営されている、それがWBCなのだ。