ネットも実店舗も
価格は同じなのか?

 同報告書には、日本を含む10ヵ国のネットと実店舗における価格比較の調査結果が掲載されている。

 それが次のグラフだが、「ネットの方が安い」ケース、「実店舗の方が安い」ケース、「ネットと実店舗が同じ価格」のケースの割合を見ると、日本の場合は全体の48%が「ネットと実店舗が同じ価格」、45%が「ネットの方が安い」となっている。ブラジルも日本と似ていて42%が「ネットと実店舗が同じ価格」、40%が「ネットの方が安い」。ところが他の8ヵ国はすべて「ネットと実店舗が同じ価格」が優勢なのだ。「ネットで買う方が無条件に安い」という思い込みは正しくないという結果になった。

 ちなみに、物販系分野のEC市場規模を大きい順から並べると、「衣類・服装雑貨等」「食品、飲料、酒類」「生活家電、AV機器、PC・周辺機器等」が上位3カテゴリーとなる。特に「生活家電、AV機器、PC・周辺機器等」のEC化率は32%、つまり約3割の人がネット通販を利用していることになる。

 インターネット上には価格比較サイトもあれば、ECサイトには同一商品の最安ショップを探索できる機能もあり、単純に最安値ならネットに軍配が上がる。しかし、店独自のクーポンやポイントのほかに、使えるアプリ決済手段が広がっている。そのため、実店舗の方が総合的にメリットが大きいケースもあり、価格比較だけでは語りきれない。特に家電やPCは決して安くない買い物だ。店頭で現物を見て、店員から説明を聞きたいと思う人もいるだろう。

 ここで、ふと疑問がわく。大手家電量販店は、それぞれネット直販サイトを持っている。先の経産省調査の「ネットと実店舗が同じ価格」はここに当てはまるのだろうか。

「ネットと実店舗で同価格」は
本当か?

 まず大手家電量販店Xのテレビのケースで見てみよう。チラシ掲載価格と直販サイトの価格で比較した(下記参照)。