アマゾン包囲網が広がっている?
Photo:DOL

米アマゾン・ドット・コムの日本事業に対する包囲網が静かに築かれ始めている。アマゾンの強みは消費者の立場からすればその買いやすさと、さらに送料がかからず注文から短時間で配送される便利さだろう。いわば「早い、安い」だ。しかし、国内の大手小売業を中心に店舗での消費者の立ち居振る舞いの分析や、ウェブから店舗へのスムーズな誘導戦略が進んでおり、快適な購買体験が構築されようとしている。店舗の巻き返しが活発化する中、アマゾンはこれからも国内市場で高い成長が続けられるか。(流通ジャーナリスト 森山真二)

リテールAIカメラで
購買行動と棚の商品の動きをとらえる

「これまでは大量生産、大量消費の時代。『メーカーと流通が主導し“モノ”を作ったから買ってください』…こうだった。だからこそ、(店舗で)本当に(消費者が)欲しいモノを見つけやすくしたい」

 九州を地盤に、ディスカウント型の小売り業態を展開するトライアルホールディングスのRetailAI社長・永田洋幸氏はこう強調する。

 トライアルは4月19日に大型スーパー「メガセンタートライアル新宮店」を開いた。店舗には小売業に特化し独自開発した「リテールAIカメラ」を1500台も導入、このカメラで顧客の店内での購買行動と棚の商品の動きを逐次とらえようというのである。

 永田社長は「欲しいモノがあらかじめ分かっている時にはEC(電子商取引)は便利。しかし、顧客の購買行動の80%は非計画購買(買うものを決めていない)。本来のマーケティングはワンツーワンであるべきで、人がどのように商品を買っているか、何に反応して何が欲しいのかを(リテールAIカメラで)とらえていく」と話す。

 例えばECサイトでは、顧客がどこのページを閲覧しているかでレコメンドを発信、最終的にどのページでどういう商品を買ったかを分析する。ウェブでは当たり前のようにやっていることだ。しかし、店舗ではこうした分析はほとんど進んでいなかった。それを店舗でやろうというわけだ。