対象品目の6割が消費財
米国個人消費への影響無視できず

 今回は、株価下落によるトランプ大統領への抑止効果も期待できないため、9月1日に米国は中国からの3000億ドルの輸入品に10%の関税を課すことになるだろう。

 これまでの関税引き上げでは、中国経済への影響の方が大きかったが、今後は米国経済へのダメージも顕在化してくる。

 今回の対象商品は、スマートフォン、玩具など中国のシェアが高いものが多い。他の国からの輸入で代替するのは難しい。さらに、消費財が6割を占める。人民元安で相殺される部分はあるものの、消費財への一定の価格転嫁は避けられない。年末のクリスマス商戦に向けて個人消費の足を引っ張ることになるだろう。

 今後も米中貿易協議の不透明感から、設備投資の低迷は続くだろう。5月の対中関税引き上げが影響している2019年4~6月期のGDP(国内総生産)において、すでに民間設備投資は前期比0.1%減となっている。

 景気の先行指数であるISM(米製造業景況指数)は、8月に51.2となった。今回の関税引き上げ表明で9月に景気判断の分かれ目となる50割れの公算もでてきた。9月、遅くとも10月にはFRBは再度の利下げに踏み切るだろう。

 ただ、FRBのさらなる利下げに加え、民主・共和両党の合意で決定された20年度(19年10月から20年9月)、21年度(20年10月から21年9月)で計3200億ドルの歳出枠拡大も経済をした支えする。

 金融・財政双方から景気刺激策がとられることもあり、現在、2%前後の成長を続けている米国経済が景気後退、つまりマイナス成長に陥る。