中でも高級羽毛布団に使用されるガチョウは、年率30~50%減を記録し、12年は3年前の5分の1に飼育量が減ると見込まれている。

 現在、日本の寝具市場の市場規模は約2000億円だが、その半分近くが羽毛の掛け布団と言われる。「中国でフォアグラを食べる人口が増えればグースの飼育数増加も期待できるかもしれない…」と業界関者はかすかな期待をかける。

 羽毛の品薄、価格高騰を受けて、急速に台頭してきているのが、「人口羽毛」などの代替素材。羽毛と同じレベルの高い保温性を持つ上に軽い合成繊維「プリマロフト」は11年度、前年比1.75倍の布団3万5000枚分を売り上げた。掛け布団だけでなく枕やダウンジャケットなどにも使用されている。

 日本ではこれまで羽毛布団の機能性や質の高さを業界あげて消費者へ売り込んできたが、今後も羽毛価格の高騰が続けば、最終製品である羽毛布団への価格転嫁は時間の問題だ。合成繊維素材は「工業製品なので、グースやダックの病気や飼育状況に左右されない」(石井氏)メリットがある。布団市場で、羽毛素材から代替素材へのシフトが加速しそうだ。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 脇田まや)

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