人材獲得競争に負ける企業は
「社内規定」で給与を提示する
転職市場の活況が続く中、1人の候補者をめぐって企業で獲得合戦になることが少なくありません。優秀な人材であればあるほど、競争率は高まります。そのため、ようやく優秀な人材にめぐり合えて内定を出しても結局、他社との競争に負け、候補者から辞退されてしまう企業が出てきます。その一方で、厳しい競争を勝ち抜いて人材を確保できる企業もあります。
では、どんな企業で内定辞退が相次ぎ、どんな企業が人材獲得競争に勝っているのでしょうか。
候補者が複数の企業から内定を得て1社を選ぶとき、選択の要因として非常にパワフルに働くのが給与です。30代前半くらいの独身の人の中には、「お金には興味がありません」という人がよくいますが、私は本当に興味がない人は見たことがありません。
つまり、候補者の応諾を得るには企業からの「オファー金額」が非常に重要だということです。「あと50万円プラスしていたら…」「あと100万円出しておけば…」といった惜しいケースは多々あります。
惜しいケースが多発する企業には、オファー金額の決め方やスタンスに問題が潜んでいたりします。そうした企業はオファー金額を「社内規定」だけで決めてしまうのです。
社内規定は1つの参考値です。それがそのまま通る状況であれば問題ありませんが、現在のような売り手優位の市場でかつ他社と競合するような優秀な人材の場合、社内規定の額面通りに採用できることはまずありません。