副業で骨折して入院、50代課長を襲った「健保も労災も使えない」落とし穴
副業で骨折して入院した場合、副業先の会社から労災は下りるのか?(写真はイメージです) Photo:PIXTA

役職定年で平社員に降格、年収が大きくダウンしたAは、妻から家計が大変なのでバイトをしてほしいと口うるさく言われる。造園業を営むB社長宅で仕事の内容に興味を持ったAは、週末、乙社の顧客先で仕事をすることに。ところが8月上旬の日曜日、ある現場で骨折したため入院する。B社長の会社から労災は下りるのだろうか?(社会保険労務士 木村政美)

<甲社概要>
 地方大手の物通系会社。従業員数300名。今年4月から許可制で社員の副業を認めている。
<登場人物>
A:55歳。妻と中学生の子ども2人の4人家族。この3月まで管理課長だったが、甲社は55歳で役職定年となるため平社員に降格され、今年4月より年収600万円から25%ダウン(450万円)した。家計が赤字に陥ったため、妻のすすめで副業を始める。
Aの妻:48歳。専業主婦だったが、今年5月から週4日パートで働いている。
B:乙社の社長。家族で造園業を営んでいる。顧客から庭の草取りや花壇の手入れを頼まれることが多いが、そこまで手が回らないので、Aに仕事を頼むことにした。
C:56歳。甲社総務部長。副業許可の決裁権を持つ。
D:甲社の顧問社労士。

赤字続きの家計に
妻がバイトを提案する

「ああ、今月も赤字だわ…」

 6月中旬のある日、家計簿をつけていたAの妻は大きなため息をついた。4月から夫の月給が大幅ダウンし、夏の賞与もガタ減り。自分のパート勤めの給料を足しても課長時代の年収には到底及ばず、妻の不満は止まらない。