世間を騒がせた「闇営業」では、関係者の謝罪ラッシュが続いている。これまで芸能人たちは不祥事やスキャンダルを起こしては謝罪を繰り返してきたが、謝罪の仕方を誤り、その後のキャリアを台無しにしたケースも多い。ワケあり芸能人の事例を振り返りながら、正しい謝罪の在り方について、「謝罪のプロ」である増沢隆太・東北大学特任教授に聞いた。(清談社 岡田光雄)

闇営業問題から
雇用契約問題に

謝罪会見を開いた宮迫博之さん(左)と田村亮さん泣きながらの会見は本来ならNGだが、増沢教授は、この2人はかろうじて合格点と言える「60点」だと評価した Photo:JIJI

 まず、話題の吉本「闇営業」騒動についての謝罪を見ていこう。端的に経緯を説明すると、吉本芸人だった入江慎也(現在は契約解除)の仲介で、宮迫博之、田村亮、レイザーラモンHGといった芸人らが、吉本興業を通さずにギャラを受け取って反社会的勢力の宴会に出席したことが騒動の発端だった。

 当初、金銭を受け取っていなかったと嘘をついた宮迫と亮は謝罪会見を開くことになったが、そこでなぜか2人は「吉本の岡本昭彦社長に“謝罪会見開いたら連帯責任で事件に関係した芸人全員をクビにする”と言われた」「反社会的勢力が吉本のスポンサーだった」などと暴露。それにより、沈黙を守っていた岡本社長も謝罪に追い込まれた。

 吉本芸人、岡本社長らは、相手が反社会的勢力だったことは知らなかったと釈明しているが、そもそもの闇営業の問題から、その後は岡本社長のパワハラ問題や吉本興業と芸人の雇用契約の問題などへと発展してきている。

 ここからが本題で、今回の闇営業騒動における吉本関係者の謝罪会見に点数を付けるとどうなるか。評価基準は、60点以上が合格、以下が落第だ。