――ユーザーである学生から、個人情報の取扱いについて適切な同意を得る方法はどうあるべきだったと考えられますか。

 個人データを第三者に提供するにあたってあらかじめ本人の同意を得たといえるためには、事業の性質及び個人情報の取扱状況に応じ、本人が同意に係る判断を行うために必要と考えられる合理的かつ適切な方法によらなければならないものとされています(個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」2-12「本人の同意」、平成28年11月(平成31年1月一部改正))。

 たとえばプライバシーポリシーを公表している場合は、当該プライバシーポリシーの内容に同意する旨のボタンをクリックしてもらう方法が考えられますが、同意の前提として、プライバシーポリシーで示された取扱い方法で自分の個人情報が取り扱われる旨を理解していることが必要となります。

 リクナビ2020のプライバシーポリシーの記載内容は上記のとおり明確であったとはいえず、同意ボタンをクリックする方法等をとっていたとしても、ユーザー個人が特定されるかたちで各企業に対して内定辞退率が提供されることについて本人の同意を得たといえるかどうかは疑問の残るところです。本件では同意取得の方法以前に、同意の対象となるプライバシーポリシーの内容の明確性が問われた事案であったといえます。

 今回のプライバシーポリシーの問題となった部分について、より明確な内容にしようとすれば、たとえば以下のような文案が考えられます。

また、当社は、ユーザーがログインして本サービスを利用した場合には、ユーザーが本サービスに登録した個人情報、およびcookieを使用して本サービスまたは当社と提携するサイト(当社と提携するサイトはこのリンクをご参照ください)から取得した行動履歴等(当該ログイン以前からの行動履歴等を含みます)を分析・集計したデータについて、ユーザー個人を特定できる状態で、利用企業等に対して提供する場合があります。このデータ提供は利用企業等における採用活動補助を目的としてなされるものであり、利用企業等において選考目的で利用されることはありません。また利用企業等に対して提供されるデータは行動履歴等の分析・集計データであり、行動履歴等そのものは、あらかじめユーザー本人の同意を得ることなく個人を特定できる状態で第三者に提供されることはありません。

 この文案であれば、「行動履歴等を分析・集計したデータ」について、ユーザー個人を特定できる状態で利用企業等に提供される可能性があることは、少なくとも明確となります。