英領ジブラルタル当局から開放されたイランの大型タンカーは、ギリシャで荷下ろしや食料調達を行う予定だったが、寄港が困難な状況に陥っている。背景には、イラン船舶との取引を停止するよう、米国がギリシャに圧力をかけていることがある。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。米国はタンカーの差し押さえを要求していたが、ジブラルタル当局はこれを拒否。タンカーは18日、ジブラルタルを出航していた。タンカーはギリシャに寄港する予定だったが、欧州外交筋によると、ギリシャ政府は領海内にイランの船舶を入れることを避けているという。イランは7月、国際規定違反の疑いで英国のタンカーを拘束しており、開放されたタンカーが寄港場所を確保できなければ、ペルシャ湾での緊張が一層高まりそうだ。米国務省は今週、テロ組織に指定しているイランの精鋭部隊「イスラム革命防衛隊(IRGC)」を利する可能性があるとして、開放されたイランのタンカーへの支援を提供しないようギリシャに警告した。