格付け機関が相次いて格下げ デフォルト一歩手前に

 予備選挙の結果やマクリ政権の政策発表を受けて、主要格付機関2社が相次いで同国の長期信用格付の格下げを発表した。うちフィッチ・レーティングスは「CCC」と事実上のデフォルト認定に近い水準とするなど、極めて厳しい評価を示している。

 さらに、一昨年初めにマクリ政権の財政運営を統括する財務相に就任し、100年債発行でも大きな役割を果たすなど、国際金融市場での評価向上に尽力したドゥホブネ氏が政権による「バラ撒き」政策への反発を示すべく突如辞任するなど、政権内に綻びも出ている。

 後任の財務相にはブエノスアイレス州の経済相で、過去に中銀のチーフエコノミストを歴任したエルナン・ランクサ氏が就任したが、当面の財政運営は大統領選での再選を目指した「タガの外れた」状況となることは避けられない。仮に政権交代が起これば一段と難しい状況に陥る可能性は高い。その意味では、アルゼンチンが国際金融市場から再び「退出」を余儀なくされる可能性も懸念されるだろう。

(第一生命経済研究所 調査研究本部 経済調査部 主席エコノミスト 西濵 徹)