GSOMIA破棄を受けて金融市場ではウォンが売られた。金融市場の初動動作は、「GSOMIA破棄にNO」だ。北朝鮮は、従来以上に軍事挑発を行うなどして時間稼ぎに取り組むだろう。朝鮮半島情勢の不安定感上昇は避けられないかもしれない。

 また、米国が文政権への不信感を強めることは間違いない。文大統領は自ら韓国を世界から孤立させ、一段と厳しい状況に向かわせているように思えてならない。光復節の日に保守派が行ったデモは、韓国国内でも文政権への不安、あるいは恐怖が徐々に出ていることの兆しのように思える。

さらに厳しい状況に
直面する韓国

 GSOMIAを破棄した文大統領は、一体、どのようにして韓国の政治、経済、社会を安定させようとしているのだろう。文大統領の真意が読み切れない。

 一つ気になるのは、8月の内閣改造の際、文氏は対日批判の急先鋒といわれる曺国(チョ・グク)氏を法務相に指名したことだ。

 曺氏は次期大統領の有力候補との見方もある。その曺国氏は、現在、韓国国内でさまざまなスキャンダルが取りざたされている。文政権には、反日をあおることで、同氏の法務相就任の中央突破を図りたいのかもしれない。仮にそれが事実だとすると、文大統領は自分の政権維持のために、今回、GSOMIA破棄のカードを切ったとも考えられる。

 現在、米中貿易摩擦の激化懸念などを受けて、世界経済は大きく、かつ、急速に変化している。朝鮮半島では北朝鮮がミサイル発射精度の向上に取り組んでいる。日本は国際世論を味方につけ、自力で極東情勢の安定を目指さなければならない。