無意識に「2」をイメージ

ご協力ありがとうございます!

さて、ここであらためておたずねします。
頭の中に何が思い浮かびましたか?

たいていの方は、無意識に「2」をイメージされたはずです。
いかがでしょう?
念のため確認しておきますが、私は一度も「計算しろ」なんてお願いしていないんです。

にもかかわらず、なぜかみなさんは勝手に解いてしまったようですね……不思議ですね。
「くだらない実験だな」と感じられた方もいらっしゃるかもしれませんが、ちょっとお待ちを。

この実験には続きがあります。
下にも、ふたつほど何かが描かれています。
さきほどの実験と同じ要領で、じっくりと眺めてみてくださいね。

じっと見るだけの問題・その2

では、いざ、参りましょう。(解けとは言っていませんよ、念のため)

28×4=?上の計算式と下の計算式を、5秒以上見つめてください
書籍『「ついやってしまう」体験のつくりかた』76ページより

上の計算式の問題、絶妙な難易度で誘ってきますよね……やっぱり計算してしまいましたか?
解いてしまう人もいれば、「解かないように、解かないように……」と心で歯を食いしばった方もいらっしゃるでしょう。
一方、下の計算式の問題はきっと誰も解かなかったのではないでしょうか?

暗算が得意な人ならまだしも、たいていの人は解こうという気すら湧かなかったはずです。
どれだけ見つめても、解く気が起きません。

この実験を通して、みなさんの心に何が起きたのでしょうか。
出題した3問は、いずれも同じ、単純な計算問題です。
しかしながら、ほぼ全員が無意識に解いてしまう問題もあれば、ほぼ誰も解こうとすらしない問題もありました。
同じ計算問題が、私たち人間の行動をここまで変えたんです。
これはいったい、なぜでしょう?
当たり前過ぎて言葉にしにくいかもしれません。

1+1は解こうと思えて、39271÷23を解こうとは思えない理由、それは……