現行の法律では、私の一存では取り壊しができないのです。仮にその物件に倒壊の危機が起き、近隣に迷惑がかかりそうになっても、行政さえ手が出せないという問題もあります。

 実際、全国の自治体がたくさんの問題物件についての苦情を受けていることもあり、廃屋に関する法律は徐々に変わりつつあります。社会の高齢化が進む中で、法律によって撤去や解体が進むことに期待したいと思います。

郊外の持ち家は要注意!
これまでと価値観を変えよ

 さて、ここで本題として取り上げたいのは、後者の「個人の問題」のほうです。個人として対処しなければならない「ワケアリ不動産」問題としては、先ほどの友人もよい例です。このような問題とどう向き合えばいいのか、私の不動産投資家としての経験を踏まえてお話ししたいと思います。

「自分とは関係なさそうだ」と思う人もいるでしょうが、実は読者の皆さんの中にも、近い将来、この問題の関係者になっってしまう人が、たくさんいそうです。しかも、個人にとってみれば、かなり大きな経済問題です。本当に「自分は関係ない」と言えるでしょうか。

 この問題を大きく3つに分けて、その課題と対処について考えたいと思います。1つ目は、郊外の持ち家の価値下落問題です。

 私は今56歳ですが、私と同世代か、それよりも年配の世代は「一軒家信仰」が強い人が多いと思います。首都圏の郊外に一軒家を購入し、引退間際に住宅ローンを支払い終えて、終の住処とする人が多いと思います。私の両親がまさにそうでした。

 ところが、後期高齢者になった頃から2階建ての一軒家の維持が大変になってくるものです。2階に上がるのが体力的に億劫になることに加え、そもそも家は駅からも遠い。本当は70代前半くらいでやや狭い駅近のマンションに引っ越しておけばよかったものの、80歳になって初めてそれに気づくわけです。