囁かれるウルトラC
2000億円を生む東電EP売却構想

 廃炉費用が膨らむであろう東電HDを救う「超絶ウルトラC」の案が、関係者の間でまことしやかにささやかれている。

 ウルトラCの中身は、小売り事業会社である東京電力エナジーパートナー(EP)の売却。要は、東電解体である。

 16年4月に始まった電力小売り全面自由化で競争が激化し、東電EPは他社に顧客を奪われ、18年度の販売電力量は3年連続の前年割れだった。

 17年4月に始まったガス小売り全面自由化で挽回を試みるも、電力小売りの“出血”をカバーするには至っていない。

 19年度に入ってからも販売電力量の減少に歯止めがかからず、大手電力会社関係者は「自由化になっても地域独占というぬるま湯に長年漬かってきたマインドに変化はない。このままだと東電EPはジリ貧になる」と指摘する。

 11年3月の東日本大震災で福島第一原発事故を起こした東電HDの最大のミッションは、福島第一原発の廃炉、被災者への賠償、福島の復興の完遂である。

 新々総特では廃炉に8兆円、賠償に8兆円、除染・中間貯蔵に6兆円の計22兆円が必要と試算していて、東電HDは「福島への責任」を果たすために稼ぎ続けなければならない。

 そもそも、福島第一原発の廃炉作業は前例のない挑戦で、「8兆円で足りるはずがない」というのが業界関係者の一致した見立てだ。

 東電HDには、さらに資金を捻出しなければならない日がいずれ来るとみられる。想定より早まるかたちで福島第二、柏崎刈羽と合わせて3原発で廃炉作業を同時進行することになれば、巨額な廃炉費用捻出をさらに急がなければならない。

 東電EPが抜本的な反転攻勢に出られないのであれば、売ってしまえばまとまった資金に換えられる。ささやかれる東電EPの売却構想はこうだ。