現在までのところ、米電気自動車(EV)大手テスラの自動車業界を破壊する取り組みは、デトロイトよりもドイツの高級セダン生産拠点に悪影響を及ぼしている。しかし、そうした現状が変わり始めている。テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は、年内に完全電気駆動式のピックアップトラックを発表すると表明した。新製品への期待をあおるお得意の手腕を発揮し、既に一部の詳細をリークしている。5万ドル(約530万円)を下回る予想外の低い標準価格や一部モデル(恐らく高価格帯の車種)の400~500マイル(約644~805キロ)という最低航続距離のほか、電動工具の電源として使用できる機能などだ。ただ新製品を発表することと、それを製造することとは別だ。テスラはコンパクトクロスオーバー「モデルY」、スポーツカー「ロードスター」、セミトレーラートラックの3モデルを発表しているが、商業ベース生産はまだ開始していない。中型セダン「モデル3」の生産増強もまだ十分に裏付けされていない。
ピックアップトラック市場、テスラ参戦で競争激化
電動化迫られる米自動車大手3社、コスト増加も
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