EU(欧州連合)の執行機関である欧州委員会はGAFAに厳しい目を向けています。2019年3月20日、欧州委員会はグーグル(親会社はアルファベット)に対し、EU反トラスト法に違反したとして14億9000万ユーロ(約1800億円)の制裁金を科しました。グーグルが市場の支配的立場を乱用し、第三者のウェブサイトとの契約で競合他社が検索広告を表示するのを制限したことが問題視されました。

 欧州委員会がグーグルに制裁金を科したのはこれが初めてではありません。17年には検索エンジンの支配的立場を利用して、自社のショッピング比較サービスを違法に有利にしているとして、24億2000万ユーロ(約2900億円)の制裁金を科しました。18年には検索エンジンの支配的地位により、違法な方法でアンドロイド端末の競争力が強化されているとして、43億4000万ユーロ(約5200億円)を科しています。これらを合計すると、欧州委員会のグーグルに対する制裁金は約1兆円に上ります。グーグルの18年度の純利益は89億4800万ドル(約1兆円)。制裁金は巨額ですが、グーグルにとっては耐えられない金額ではありません。それでも欧州委員会の態度は非常に厳しいものといえるでしょう。

 金額はぐっと小さくなりますが、グーグルにはEUのGDPR(一般データ保護規則、18年5月施行)による米国企業への初制裁として、19年1月21日に5000万ユーロ(約62億円)の制裁金が科されました。GDPRは、個人のデータは個人がコントロールすべきだという考え方によるものです。この観点で、グーグルの情報提供と同意の取得方法はGDPRに違反していたとされています。

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 こうしたプラットフォーマーに対するEUの制裁は、「米国対欧州」の図式で語られることがあります。国家共同体であるEUが、プラットフォーマーと米国に対してルールメーキングの戦いを行っているように見えます。EUが恣意的な攻撃をプラットフォーマーに行っているというよりも、プラットフォーマーの売り上げがあるEUでのルールを決定し順守させるパワーを持ちたいという意思表示だと思います。