なぜ「独身貴族」を続けるのか
中国の若者に見る3つのトレンド

 筆者の周りにも、結婚していない中国人の友人が何人かいる。彼らは「独身貴族」として自由気ままな生活を謳歌している。結婚している筆者からすると、何にも縛られることのない彼らの生活はうらやましく思うときもあるが、「老後はどうするんだろうな」と勝手に心配してしまう。なぜ「独身貴族」を続けるのだろうか。

 1つ目の理由は、自分のライフスタイルを崩されたくないからだ。独身を貫く筆者の中国人の友人の1人・Yさん(40代・男性)は「若いときは結婚したいと思ったこともあったけど、もう何年も自分のライフスタイルできたので、今結婚しても慣れないでしょうね」という。彼は女性ウケしないということではなく、むしろ逆のタイプなのだが、仕事が終わったら、アフター5は気の合う友達と遊びに行ったり、休みの日には趣味に没頭したりしたいのだという。

 結婚すると、まっすぐ家に帰って家事を手伝ったり、休みの日には家族サービスをしたりしなければならないので、そういう生き方もいいのかな、と思う。

 2つ目の理由は、結婚するにも「先立つもの」が必要だからだ。筆者は何回か中国の結婚式に出席したことがあるが、一生の思い出となるように気の利いた演出が行われ、食べ切れないくらいの料理が出てくるので、かなり金がかかっているなと感じる。新郎新婦の出身地が違えば、それぞれの出身地で結婚式を挙げなければならない。どちらか一方の式のレベルを落とすわけにはいかないので、結婚式を挙げるだけでもかなり金がかかる。

 中国、特に大都市では住宅価格が高く、自分の家を持てない。筆者もよく、結婚願望のある中国人男性の結婚相手を探したことがあるが、自分の家がないと話がなかなかまとまらない。さらに、都市は生活コストが高く、自分の満足がいく生活するには、高給を得られるポストに就くしかない。「愛さえあれば」という考えは中国人女性には通用しない。

 彼女らに言わせれば、「食べるものがなければ愛なんて語れない」という。かなり現実的な意見だ。「先立つもの」がなければ結婚など到底できない。これは中国に限ったことではなく、万国共通のことだと思う。

 3つ目の理由は、結婚すると親戚付き合いの煩わしさがあるからだ。中国は家族の繋がりがとても強く、自分の身近な家族や親戚は助け合うのが当たり前とされている。結婚後、自分たちの新居に相手の両親だけでなく、親戚も転がり込んでくるという話はそう珍しい話ではない。