「通貨安競争」の勝者はいない。最悪のシナリオは“金融戦争”
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 米国準備制度理事会(FRB)の10年半ぶりの利下げを契機に、世界は再び金融緩和の時代に入る。

 トランプ大統領が仕掛けた貿易戦争や中東などでの緊張に、債券市場などが緩和を求める「催促相場」の様相だ。だが金融政策で対応できる余地は多くはない。

 むしろ金融緩和に頼るあまり、「通貨安競争」などに入り込み、新たなリスクを生む可能性もある。

米国に続いて
EUも緩和に逆戻り

 2008年の金融危機を起点とする主要国における金融緩和政策は、景気回復を背景に2015年12月に利上げを開始した米国を筆頭に、非常事態から正常化へと向かっていくかと思われた。