チェチェンの元反体制派が先月ドイツで殺害された事件で、複数の米当局者は10日、ロシアが裏で糸を引いたとの見方を示した。ロシアは外国にいる「敵」を次々と暗殺しており、新たな犠牲者が出たようだ。チェチェン紛争の際にロシア軍に抵抗した武装勢力を指揮したジョージア(旧グルジア)人のゼリムハン・ハンゴシュビリさん(40)は8月23日、ベルリン市内のモスクに行く途中に公園で銃撃された。ドイツの警察は間もなく、ピストルと消音装置を捨てて電動スクーターで現場を去ろうとしていたロシア人の男を逮捕した。この事件をきっかけに、ロシア政府が外国での暗殺の動きを活発化させているとの懸念が再燃している。英国でロシアの元スパイと娘が毒殺未遂に遭った問題で、英政府はロシアの情報機関の犯行だと断定。欧米諸国は昨年、100人を超えるロシア外交官を国外に退去させた。