昨年初めて作成した「難関私立大学合格力」ランキング。2018年のベスト5は、4位の県立湘南以外は東京・神奈川の名門私立女子校が占めており、男子校の進出を許さなかった。ところが19年は一転して、私立男子校が3校も名を連ねている。いったい何が起きたのか。

ランキング上位に私立男子一貫校が登場

まずは初めてランキングを作成した2018年の上位校を振り返ってみよう。

 1位女子学院(東京・千代田区)、2位頌栄女子学院(東京・港区)、3位横浜共立学園(横浜市中区)。いずれもキリスト教教育の女子中高一貫校で、早慶や上智の大学キャンパスでOGに遭遇する率の高い名門校だ。そして、5位鷗友学園女子(東京・世田谷区)、7位洗足学園(川崎市高津区)、11位フェリス女学院(横浜市中区)と、人気女子校が続く。

 文系志願者が多い私立女子進学校にとって、早慶上理やMARCHは目標とすべき大学であり、受験者も多い。

 このランキングは1人が複数の合格を得ることができる私立大を対象としているため、原則としてのべ合格者数で算出している。たくさん受けて、たくさん受かった学校が上位に顔を出す仕組みなのだが、前回と今回ではだいぶ顔ぶれが変わってしまった。

 では、2019年のランキング上位校を見てみよう。

 1位の世田谷学園(東京・世田谷区)は前回16位からの大躍進である。3位浅野(横浜市神奈川区)と5位聖光学院(横浜市中区)も、それぞれ19位、20位から順位を上げている。これらの男子校は、「国公立100大学合格力」のランキング上位常連校であり、難関国立大学に挑む男くさい学校のはずなのだが、なぜ「女の園」である難関私立大学合格力のランキングに入り込んできたのだろうか。

 その背景には、大学入試制度の変更がありそうだ。2021年から新しい共通テストが始まることで、センター試験は終了する。「私大定員厳格化」の動きと相まって、現役合格への志向が高まっている。浪人だけは回避したいというプレッシャーは相当に強まっている。

 浪人覚悟で難関国立大学に挑むのが常の難関男子校でも、安全志向は高まっており、その結果が今回強く出たものと思われる。

合格力ランキングの算出方法について(協力/大学通信)
 
対象となる大学/医学部ごとに、河合塾による偏差値(ボーダーランク)を主として参照して算出した難度を各高校の合格人数にかけて加重平均した合計を2019年卒業生数で除した。
ランキング掲載対象高校の選定基準
「国公立100大学」に1人以上の合格者を出した2662校をランキングの対象高校とした。前回の対象校数は2715校だった。合格者数は、私立大と一部の国公立大合格者は大学が公表した人数。推薦など一部の合格者を含んでいないことがある。関西学院大は1人が複数学部に合格しても1人としてカウントした実合格者数のみ公表している。そのほかの大学の合格者数は、各学校に調査した4月末日時点での判明数。非公表や未集計の場合もあるため、空欄でも合格者がいる場合がある。
●難関私立大学合格力
難関私立14大学の、のべ合格者数(関西学院大は実合格者数)を基に算出した。対象は以下の大学:早稲田大、慶應義塾大、上智大、東京理科大、明治大、青山学院大、立教大、中央大、法政大、立命館大、同志社大、関西学院大、関西大、南山大
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