リスクをとるときは自分の気持ちを正直に見定め、変化を受け容れるといい。最初につまずいても後もどりせず、ひたすら前に進もう。

◆プレッシャーもストレスも手なずける
◇ルーティーンを守る

 大事なイベントを控えているときは、特別なことをせずにいつものルーティーンを守ることで、実力が出しやすくなる。「チームなおみ」は全米オープンの決勝当日も、それまでと同じウォームアップをし、練習を行った。練習の後のおしゃべりもお決まりだ。

 ルーティーンは効果的な手段だが、それにしがみつく必要はない。環境や目標が変わるにしたがって修正していくのがいい。一日の組み立て方はいまのままでいいか、折りに触れてチェックしてみてほしい。

◇怒りはためずに吐きだす

 テニスから応用できる、とっておきのストレス対策は、怒ることだ。

 怒りは、押し殺すのではなく、ときには発散させるのがいい。だから著者は、なおみがラケットを叩き折っても気にしない。怒りを発散させるためなら、ラケットを放り投げたって、わめいたっていい。むしろ「よくやった」と思うくらいだ。

 セリーナのプレイにもまた、怒りが一役買っていた。彼女が最上のプレイをするのは、怒りに任せてラケットを叩き折ったときに多かったのだ。怒ったとき、彼女は完全にゲームに入り込む。怒りを発散させることで、どんなピンチに陥っても動じず、形勢逆転に持ちこむことが何度もあった。

◇孤独を味方につける

 ストレスを感じたら、いったん持ち場を離れてもいい。

 なおみが全米オープンの決勝で、セリーナと対戦したときのこと。あと1セットで勝利というところまできていたとき、スタジアムは激しいブーイングなどで騒然としていた。そこでなおみは、椅子に腰を下ろし、頭からタオルをかぶった。観客と自分を隔て、自分だけのパーソナルな空間を作って精神を集中したのだ。