米連邦準備制度理事会(FRB)にとって心配の種が減った。米労働省が12日示したデータによると、インフレ率は3カ月連続で回復している。FRBは危険な低インフレに陥るかもしれないと懸念を示していた。8月の消費者物価指数(CPI)は前月から0.1%上昇、前年同月比では1.7%上昇した。これはエネルギー価格下落の影響で低く抑えられている。物価動向をより正確に捉えるとされるコア物価指数(食品・エネルギーを除く)は前月比0.3%上昇、前年同月比2.4%上昇となった。年率ベースの上昇率は、FRBがまだ金融引き締めモード全開だった昨年7月以来の高い伸びだ。今年インフレ率が低下した際、FRBは当初「冷え込みは一時的」との立場を取った。恐らくそのシナリオを貫くべきだった。しかしFRBは低インフレの危険性をくよくよと考え、7月に利下げに踏み切った際、それを正当化する根拠の1つとした。FRBは来週開く連邦公開市場委員会(FOMC)でも再び利下げを決定すると示唆。大半のエコノミストはそれに続く追加利下げがあると予想する。
米インフレ率の上昇、再びFRBの視野に
利下げは一段と根拠薄弱に
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