先日香港で行われた民主化要求集会の後、覆面をした2人の参加者がデモの新たなターゲットに目を向けた。地元の地下鉄だ。彼らは金属棒を手にし、記者らが見つめる中、オフィスビルや公園に囲まれた中環駅の地上出入口の窓を打ち壊した。ガラス目がけて石を投げつけ、高級店が並ぶ通りを進むと、次の駅の入り口に火を放った。香港市民にとって日常生活の中心ともいえる地下鉄でさえ、著しく分裂した政治的環境から逃れるのは難しくなっている。効率的で非常に清潔なMTRと呼ばれる香港の地下鉄は、夏の間はデモ参加者が移動したり警察から逃走したりする際に利用する重要な手段だった。だが8月後半になると、活動家らはMTRを激しく敵視するようになった。同社は地下鉄駅での破壊行為や妨害行為の防止に協力するよう裁判所から命じられたため、デモ参加者により厳しい対応を取ることになると警戒された。命令が出されたその日、中国国営の英字タブロイド紙、環球時報(グローバル・タイムズ)は、デモ隊を支援しているとして地下鉄運営会社を批判するコラムを掲載。デモ参加者の間で、同社が中国政府から圧力を受けているとの疑念が広がった。
香港デモ、地下鉄が新たな標的に 「政府に協力」と批判
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