米経済は恐らく問題ないだろうが、いずれにせよ連邦準備制度理事会(FRB)は今週、金利を引き下げる公算が大きい。それには一理ある。経済の潜在的脅威があまりに多いため、FRBは利下げよりも据え置きのリスクの方が 高いと懸念しているのだ。だが危険なのは、FRBがスパイラルに陥ることだ。ますます遠くなるテールリスク(発生の可能性は低いが発生すれば大きな損失になるリスク)が継続的な利下げにつながれば、いずれ利下げの余地はなくなる。失業率が約50年ぶりの低水準にあるなか、個人消費は堅調でインフレ率は上向きつつあり、現時点での利下げは不適切に思える。だが貿易摩擦や世界経済の減速、そして先週末に起きたサウジアラビアの石油施設攻撃は、いずれも懸念すべき理由とされる。
FRB、利下げスパイラルのリスク
遠いテールリスクに備え、どこまで利下げをすればいいのか
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