「加盟店に勇気を持ってもらうのは、商品しかない」――。トラブルが続くコンビニエンスストア業界最大手のセブン-イレブン・ジャパンが、秋以降の商品戦略を発表した。高価格帯の食品を強化する方針で、10月の消費増税に向けた特別の対策は取らないという。ところが店舗ではすでに消費税額とは別に“セブン税”がかかるなど、税率計算をめぐる混乱が発生。信頼回復には程遠い。(ダイヤモンド編集部 岡田 悟)
「昨今、セブン-イレブン・ジャパン(SEJ)を取り巻く環境は、順風満帆ではないという認識を全社で持っています」――。
9月18日、都内で開かれたSEJの秋期商品展示会。報道陣向け説明会の冒頭で、高橋広隆商品本部長は悲痛な表情でこう切り出した。
今年2月に大阪府東大阪市の加盟店オーナーの時短営業を独自に始めたことによって、深夜営業など加盟店の過度な負担がクローズアップされるようになり、古屋一樹前社長(現会長)が引責辞任した。7月には、独自のキャッシュレス決済サービス「セブンペイ」のスタート直後に不正ログインが発覚し、セキュリティ保護の脆弱さが猛烈な批判を受けた。
そんな中、SEJの月次既存店売上高は、前年同期比で6月が98.7%、7月が96.6%と大きく下落。8月にようやく100.1%に戻した。