今回はそういった過剰なセールはダメだといわれているし、食品は増税されない。日用品は腐るものではないし、ゆっくり使えば節約につながるから、買いだめしておいても問題ないだろう。そう思ったSさんは、増税の半年ほど前から意識して、毎回買い物に行くと、商品をいつもより多めに購入してきました。買いだめしているのは、前回同様、ティッシュペーパーやトイレットペーパーや洗剤、せっけんなどの消耗品です。

 一方で妻は、増税よりも現在の家計の状況が気になっています。夫婦共働きで合わせると月に50万円弱の手取り収入があるのに、毎月使い切ってしまって貯蓄に回すお金が残らないことに危機感を持っていたのです。そのため、食費の削減や通信費の契約内容の見直しなどで支出を減らそうと試みていました。

 しかし、こうしたやりくりに対する考え方が夫と妻で異なるにもかかわらず、2人が話し合うことなく、各自が良いと思う方法を進めてきてしまいました。そのため、妻は支出を削減する一方で、夫は日用品代を増やしてしまい、支出総額は変化なしという状況です。しかも、家計簿をつけていない、互いのお金の使い方を把握していない“すれ違い家計”のため、この方向性の違いには気が付いていないようでした。

 しかも、早すぎる夫の買いだめにより、保管する場所にかなりのスペースが占領されていました。在庫が目につくので、「このくらいなら大丈夫」と思い、いつも以上に無駄な使い方をしてしまい、トイレットペーパーや洗剤などの消費スピードが上がっているようです。つまり、良かれと思って始めた買いだめが、結果的に消費を加速してしまい、思うような節約効果が生まれていないのです。

 妻は、夫の買いだめが家計に大きな影響を及ぼしているとは思わず、自分が頑張っている成果が表れないことに疲れ始め、お金を使うことが怖いとさえ思うようになりました。一方の夫は買いだめを頑張っているのに、思うように買いだめできていないように感じており、夫婦でちぐはぐな状況です。

 このような中で家計相談に来られたのですが、客観的にみると、すぐに「夫婦間での情報共有のなさ」が目につき、「夫の先走り」があだになっていることがわかりました。