1年半前、「フリー・アンド・フェア・マーケッツ・イニシアチブ(FFMI)」という名の新しい非営利団体が、米ネット小売り大手アマゾン・ドット・コムの業務慣行を批判するキャンペーンを全米で開始した。FFMIは、アマゾンが競争やイノベーションを阻害し、消費者の選択肢を狭める一方で、政府からは多くの補助金を確保し、倉庫従業員を危険な目に遭わせ、個人情報の扱いではプライバシーを侵害していると主張。労働組合やボストンの経営学教授、カリフォルニアの実業家など、一般市民から草の根レベルの支援を得ていると主張していた。その一方で、アマゾンの主要ライバルから資金援助を得ていることについては、情報を開示していなかった。支援者にはショッピングモール所有・運営のサイモン・プロパティー・グループ、小売り大手ウォルマート、ソフトウエア大手オラクルなどが含まれる。サイモン・プロパティーは、アマゾンの台頭でモールの客足減少に苦しんでいる。ウォルマートは小売り事業でアマゾンと直接競合する。オラクルは、国防総省による100億ドル(約1兆1000億円)規模のクラウドコンピューティング契約入札で、アマゾンと競り争っている。
アマゾン批判の非営利団体、裏でライバル企業が資金支援
有料会員限定
あなたにおすすめ