はっきり言うと、毎月、あるいは公的年金が支払われない奇数月に(何とあざとい、高齢者だましの商品設計!)分配金があるようなファンドが、いかなる運用をしていようと、年率1%程度以上の手数料を支払うのは「ひどい無駄」だ。

 運用金額にもよるが、それなりの「給料代わり」や「自分年金」などと思える金額の分配金があるとするなら、「1回1万円以上の手数料のATMを毎月利用している」のと同じか、それ以上に馬鹿馬鹿しい手数料を取られていると認識するべきだ。

 一方、運用でリスクを取ること自体は構わない。例えば、リスク資産については内外の株式のインデックスファンドに投資する。一方で、リスクを取りたくないお金については個人向け国債変動金利型10年満期にでも投資しておく。そして、適切な生活費について、一年に一度計画的に運用資産を取り崩して普通預金に入れて、これを使うようにする。これらを実践するだけで、年間、十数万円から数十万円の無駄な手数料が節約できるはずだ。

 筆者はお勧めしないが、インカムゲインがどうしても好きなら、REIT(不動産投資信託)や高配当な株式に投資してもいい(分散投資を心掛けて投資すべきだ)。毎月分配型投信に付き合うよりはましだ。

 こうした代替案を伝えずに、毎月分配型投信にも「まともなニーズがある」かのように物事を伝えて、ビジネスの背景として重要な金融機関の手数料稼ぎについて伝えないのは、損得のはっきりしたお金の問題の情報提供としてはお粗末だ。日経の記事には、いささか厳しすぎる読み方になったかもしれないが、金融機関の支店などで、記事の切り抜きのコピーが配られて、「毎月分配型には一定のニーズがある。リスクについてしっかり説明した上で販売に取り組むように」といった声がミーティングで出るような、嫌な利用のされ方が想像できる。