日本の武器はアイルランドを上回る
運動量とスピード、サインプレー

 日本とアイルランドの最近の対戦は2年前にある。2017年6月にアイルランドが来日して2試合を行った。1試合目はくしくも28日のW杯第2戦と同じ静岡エコパスタジアムで行われ、22-50の大差で日本代表が敗れた。2試合目も13-35で日本が敗戦。今大会と2年前では出場選手もチームの仕上がりも異なるので単純には比較できないが、分が悪いことは確かだ。

 とはいえ、勝つ可能性がまったくないわけではない。アイルランドは今年のシックス・ネーションズでイングランドとウェールズに敗れ、3位に終わった(優勝は5戦全勝のウェールズ)。日本はそのイングランドと昨年11月にテストマッチを行い、15-35で敗れたものの前半は主導権を握りリードして終えたし、後半の崩れさえなければ、勝ってもおかしくない内容だった。ティア1のチームとの差は確実に縮まっている。

 また、日本にもアイルランドを上まわる点がある。世界一ハードといわれるトレーニングで獲得した運動量とスピードと相手の弱点を見抜く分析力、それに基づくサインプレーを織り交ぜた意外性のある攻撃だ。

 アイルランドの強力FWによるゴリ押しは脅威だが、日本の守りの代名詞ともいえるWタックル(2人がかりで押し倒す)でなんとか食い止める。そして失点を最小限に抑え、僅少差で終盤まで持ちこたえれば、勝機も出てくるだろう。

 それに何より、今大会を絶好のチャンスととらえ、本気で優勝を狙ってきているアイルランドに日本がどう立ち向かうかには興味が湧く。相手が強ければ強いほど日本選手は燃えるだろうし、観戦する側もより興奮が味わえるわけだ。

 厳しい戦いになることは確かだが、4年前に起こした奇跡、南アフリカ戦の再現を期待したい。

(スポーツライター 相沢光一)