煙をあげるサウジのアブカイク石油施設Photo:Reuters

 【ベイルート】サウジアラビアは主要な石油施設に対する大規模な攻撃で痛手を負い、助けを必要としている。だがそうした状況下にありながら、ワシントンをはじめ米国全体を見渡しても、サウジの友人はほとんどいない。

 サウジは石油施設への空からの攻撃について、イランの仕業だと主張。攻撃を受けて、サウジは米国の支援を期待していたかもしれない。しかし、イエメン内戦へのサウジの介入が不興を買っていることや、サウジの暗殺チームによる著名な政府批判派ジャーナリスト、ジャマル・カショギ氏の殺害、2001年の米同時多発テロにサウジ政府がかかわった可能性が新たに注目されていることなどが、支援の気運を損なっている。

 クリス・マーフィー上院議員(民主、コネティカット州)はウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)に対し「今回の攻撃はサウジの石油施設に対するものであり、米国とイランの間のより大きな戦争を誘発することがあってはならない」と指摘。「われわれは、サウジとの間で相互防衛条約を結んでいない」と強調した。