【上海】世界で最も急成長している電気自動車(EV)市場が減速している。
中国のEV販売台数は7月が前年同月比5%減、8月が同11%減となり、技術に飢えた中国でさえ向こう数年のEV販売は厳しそうだとの懸念が浮上している。
重慶市のディーラーで働く北京汽車(BAICモーター)の営業担当者は最近、「新エネルギー車(NEV)の売れ行きは良くない」と述べた。「消費者が気にするのは、EVの航続距離、充電の便利さ、価値の下がりにくさだ」という。
中国は依然、群を抜いて最大のEV市場だ。昨年の販売台数は126万台と、世界全体の60%を占めた。大半のアナリストはなお、長期的に広範な普及が進むと予想している。しかし、自動車市場全般が大きく落ち込むなか、販売は息切れしている。
中国の昨年の自動車販売台数は3%減と、数十年ぶりの減少となった。今年1~8月は11%の減少となっている。EVは当初こそ堅調だったが、今ではやはり、中国経済を覆う弱い消費者信頼感に屈している。