彼女らを見ていて、少なくともそのサークル内で“女性だから”という理由で過度なハラスメントを受けている印象はない。誰かから言い寄られたり、暴走して頭のネジが飛んだ男性から妙な発言を浴びせられることはあるかもしれないが、それはゲームでない、現実社会でも起こり得るハラスメントの範疇に収まる程度となっている。

「スプラトゥーン」ではツイッターを主な場所として有志のサークルが乱立していて、そこでの女性はきちんと現実社会に近い形での扱いを受けている。ネット上とはいえ、一応ネットでは赤の他人ではない者同士となった集まりのサークル内では、常識的な社会性が構築されているのである(もちろん中には北斗の拳の世界のような荒廃した雰囲気のサークルもある)。

 しかしこのサークルという垣根が取り払われネットの匿名性が首をもたげると途端によろしくない。公の場に出てきた女性プレイヤーが好き勝手に言われ始めるのである。ネットマナーの悪い人らが女性へのハラスメントを発信し、増長する。

「面と向かって言えないことはネットでも言ってはいけない」とよく言うが、声より文字の方がどぎつく伝わるため、ネットでは面と向かって以上に言葉に気を遣う必要があるはずだが、当然のことながらネットマナーの悪い人がそんなことを考えるわけはない。

 しかもネットのハラスメントは、現実世界に比べて安全圏から行える。現実世界でハラスメントをすれば、した側は仕事がなくなったりそのコミュニティでの立場が悪くなったりする。しかしネットではそのリスクがない。

「何かコミュニティに属していてある程度の立場がある」という場合でも、ちょっと雲行きが怪しくなってきたらアカウントを削除して新しいアカウントを作れば、生まれ変わって次なるネットライフを謳歌できるのである。この無責任さや不特定多数の匿名性に甘える人らが、女性プレイヤーへのハラスメントをけん引している。