大勝利の立役者は
フッカーの堀江選手

 後半に入ってからは終始、日本のペースで試合が進む。そして19分、スピーディーなパスが途中出場の福岡堅樹選手に渡ると、すぐさまゴール角に飛び込み、逆転。

 田村選手がコンバージョンキックをしっかり決め、16対12と差を広げた。

ラグビーのアイルランド戦勝利は奇跡ではない!元日本代表レジェンドが解説■大西将太郎 ラグビー元日本代表、解説者。日本代表として、通算33キャップ(試合)に出場。2007年W杯フランス大会のカナダ戦では試合終了直前に同点ゴールを決め、12-12と引き分けながらも、日本代表のW杯連敗記録を13で止めた立役者。 2016年の現役引退後は、JSPORTSやWOWOWのラグビー解説をつとめ、2019年ラグビーW杯の認知活動、ラグビーの普及活動に尽力している。近著に『ラグビーは3つのルールで熱狂できる』(ワニブックス)

 試合終了まで10分を切った32分には、田村選手のペナルティゴールで、さらに3点追加し19対12。この点差を守り抜き、このままノーサイドとなった。

 終わってみれば、後半、アイルランドに1点も与えず、完璧な守りを見せた日本。今回の日本のディフェンスについて、大西氏はこう分析する。

「前半に許した2本のトライは、どちらもキックパスによるもの。なので、決して日本のディフェンスラインが崩されて、得点されたわけではありませんでした。アイルランドは自分たちの強みであるスクラムやラインアウトでプレッシャーをかけたかったはずですが、日本はどちらも対等以上に渡り合えた。ほかにも、ボールを持った選手に2人で当たっていく“ダブルタックル”は、この4年間で積み上げてきたものを象徴するプレーでしたし、先日の試合は、集大成の80分間だったといえるのではないでしょうか」

 試合を振り返ってみると、ペナルティゴール4本とコンバージョンキック1本の計14点をあげた田村選手、トライを1本決めた福岡選手、アイルランドの屈強なタックルを跳ね返す持ち前のパワーで、ボールを前進しつづけた姫野和樹選手が特に目立った動きを見せていた印象がある。

 しかし、その3選手以上に今回の試合でもっともいい働きをしたのはフッカーの堀江翔太選手だったと、大西氏はいう。

「堀江選手は、今回で3大会連続W杯出場の経験豊富な選手。スクラム、ラインアウトともに、日本が安定してプレーできたのは、堀江選手の存在感、安心感があってこそでした。ボールを前へ運んだ数は13回でトータル28mでしたし、タックル数は16回と大奮闘。プレイヤーオブザマッチを獲ったのもうなずける素晴らしいプレーでした」