「ムチが0割、アメが10割」!
能作:そうなんです。
かつて職人の世界では、「ムチが8割、アメが2割」といわれていましたが、能作は「ムチが0割、アメが10割」です。
――ええ!? そんなこと、聞いたことがない!面白い!
能作:ムチを振るうと社員は萎縮して、「新しいこと」へのチャレンジから目を背けてしまいます。
だから僕は、社員が失敗しても怒らない。
「やらないから失敗しない社員」と「やって失敗した社員」がいたら、僕は後者を評価します。
――それはいい社長ですね。私もそんな社長の下で働いてみたい!笑
能作:僕は、「みんなで会社を育てていきたい」と思っていて、社員を「創業者の集団」だととらえています。
だからこそ、「新しいことにチャレンジしたい」「もっと会社をよくしたい」という若い人たちのアイデアや意見を尊重しているのです。
――ワンダフルですね。今回は非常に勉強になりました。ありがとうございます。
能作:こちらこそありがとうございます。富山の本社の雰囲気を少しでも知りたい方は、第1回連載もご覧いただけたらと思います。
1958年、福井県生まれ。大阪芸術大学芸術学部写真学科卒。大手新聞社のカメラマンを経て1984年、能作入社。未知なる鋳物現場で18年働く。2002年、株式会社能作代表取締役社長に就任。世界初の「錫100%」の鋳物製造を開始。2017年、13億円の売上のときに16億円を投資し本社屋を新設。2019年、年間12万人の見学者を記録。社長就任時と比較し、社員15倍、見学者数300倍、売上10倍、8年連続10%成長を、営業部なし、社員教育なしで達成。地域と共存共栄しながら利益を上げ続ける仕組みが話題となり、『カンブリア宮殿』(テレビ東京系)など各種メディアで話題となる。これまで見たことがない世界初の錫100%の「曲がる食器」など、能作ならではの斬新な商品群が、大手百貨店や各界のデザイナーなどからも高く評価される。第1回「日本でいちばん大切にしたい会社大賞」審査委員会特別賞、第1回「三井ゴールデン匠賞」グランプリ、日本鋳造工学会 第1回Castings of the Yearなどを受賞。2016年、藍綬褒章受章。日本橋三越、パレスホテル東京、松屋銀座、コレド室町テラス、ジェイアール 名古屋タカシマヤ、阪急うめだ、大丸心斎橋、大丸神戸、福岡三越、博多阪急、マリエとやま、富山大和などに直営店(2019年9月現在)。1916年創業、従業員160名、国内13・海外3店舗(ニューヨーク、台湾、バンコク)。2019年9月、東京・日本橋に本社を除くと初の路面店(コレド室町テラス店、23坪)がオープン。新社屋は、日本サインデザイン大賞(経済産業大臣賞)、日本インテリアデザイナー協会AWARD大賞、Lighting Design Awards 2019 Workplace Project of the Year(イギリス)、DSA日本空間デザイン賞 銀賞(一般社団法人日本空間デザイン協会)、JCDデザインアワードBEST100(一般社団法人日本商環境デザイン協会)など数々のデザイン賞を受賞。デザイン業界からも注目を集めている。本書が初の著書。
【能作ホームページ】 www.nousaku.co.jp