キャッシュレス決済の使い過ぎで「赤字」に
支出の把握が何より重要

 ここまではよかったのですが、少し問題が起きました。なんと、知らぬ間に家計が赤字に陥っていたのです。

 QRコード決済を使い始めたことで、コンビニでの買い物が増え、ドラッグストアにもよく行くようになりました。QRコード決済ができるスーパーが増えるまでは、主に食材や日用品などもコンビニ、ドラッグストアで購入し、「少し多めに買ってもいいか」という気持ちになっていました。つまり、QRコード決済を使い始めたことで、消費というより「浪費」にあたる支出が多くなってしまっていたのです。

 また、コンビニはスーパーよりも価格が少し高めに設定されている場合が多いので、全体の支出も以前より多くなってしまっていました。

 何よりも大きかったのは、QRコード決済の支払い履歴を見ると、いつ、どこで、いくら支払っているかが一目瞭然だったので、家計簿アプリで支出総額の確認などをすることがなくなっていたことです。ある時、ふと思い出して家計簿アプリを見てみると、収支は赤字。記録ミスといえる部分を考慮しても、明らかにいつもより使い過ぎていました。

 こんな状況を改善したく、Kさんは私のところに相談にいらっしゃったのですが、やるべきことはただ一つ。現在の支出を把握することです。それができれば、Kさんは今までのように支出をコントロールできるでしょうし、また、お金を貯めていけるでしょう。

 今回の消費増税によるポイント還元制度は、キャッシュレス決済に不慣れな人も多く利用しようとするはずです。どうやって利用するか分からないとか、そもそも仕組みが分からない人も多いようですが、そのような方々が多く利用し始めるとすると、恐らくKさんのように「使い過ぎ」の状態に陥る人もたくさん出てくるでしょう。

 還元されるポイントは大きいでしょうが、もともと価格が高いお店で購入するなら、いくらポイントが還元されても支出は増えてしまいますし、そういった支出を振り返る自分なりの方法を見つけておかないと、気がついたときには「赤字だった」「こんなはずではなかった」という状態になりがちです。キャッシュレス決済によるお金の使い過ぎは、家計にとって小さな失敗かもしれませんが、積み重なると大きい金額になります。注意していきたいものです。

(家計再生コンサルタント 横山光昭)