今年8月、トランプ米政権が「iPhone(アイフォーン)」も対象となる対中追加関税を警告したのを受け、アップルは数十億ドルの利益を失いかねない状況となった。その時、ティム・クック最高経営責任者(CEO)は自身がワシントンに持つ最も重要な人脈の一つに接触した。ジャレッド・クシュナー氏だ。クシュナー氏は義理の父であるドナルド・トランプ大統領とクックCEOの電話をアレンジした。この電話の内容を知る人物によれば、クック氏は追加関税がいかにiPhoneの価格上昇につながり、韓国サムスン電子などのライバル企業に対するアップルの競争力を損なうかについて説明した。その数日後、トランプ政権は追加関税の範囲を縮小し、iPhoneを含む一部の電子機器を対象外とした。その理由は、ホリデーシーズンを控えて消費者を守る必要があるというものだった。米政権に近い関係者によると、クック氏からの電話が、この決定に影響を与えたという。