給料は電力会社のほうが良かったのかもしれないのだが、友人は銀行に就職した。件の電力会社は、後に深刻な原子力発電所の事故を起こしたから、友人の選択は良かったのだろう。

 こんな古い話を思い出したのは、関西電力の経営幹部が、原発所在地である市の元助役から多額の金品を受け取っていたことが発覚したからだ。

 友人の父親が口にした「腐る」の意味に改めて納得できる気がする。

関電の幹部はなぜ即刻辞めないのか?
問われているのは倫理であり、社会的責任だ

 一方、納得できないのは、金品受領の事実を認めながら、関西電力の幹部達が「辞める」と言わないことだ。

 例えば、同じような金品の授受を行っていたことが社内調査で発覚した場合、一般社員は間違いなくクビだろう。通常の会社なら、懲戒免職になって退職金も受け取れまい。関西電力の社内規定やコンプライアンスの方針を知らないが、地元では一流を気取っている会社なのだから、社員に対する規定が甘いということは考えにくい。

 関西電力に限らないが、近年「社長」と「社員」の距離が、報酬の面でも立場の面でも離れている感じがする。かつてであれば、社長は「社員の長」だったので、社員に模範を示す立場であり、社員が行ってはいけないような行為が発覚した場合、即刻辞任することが社内秩序の上からも当然だった。サラリーマン社長の場合は、特にそうだった。

 経営幹部がこのまま居座り続けて、関西電力の社内は士気が保つのか、という疑問が湧く。