「辞任」に追い込まれた日産自動車の西川廣人社長兼最高経営責任者(CEO)「辞任」に追い込まれた日産自動車の西川廣人社長兼最高経営責任者(CEO) Photo:EPA=JIJI

ポストゴーンの
西川社長の電撃「辞任」

 先の3連休最終日の16日、日産自動車の西川廣人社長兼最高経営責任者(CEO)が退任した。当面は山内康裕最高執行責任者(COO)が暫定CEOに就き、10月末までに後任が選ばれることになった。

 ポストゴーンの日産のリーダーとなったばかりの西川社長が電撃「辞任」した格好だが、事実上「解任」の事態となった。西川社長は、まさしくカルロス・ゴーン元会長の不正を告発した立役者であり、皮肉な結果となった。

 足元の状況をみれば、日産は一気に業績不振が表面化し、仏ルノーとの連携も微妙な軋轢(あつれき)が生じている。その中で、次の日産トップに求められるのは、混乱している日産陣営を一つにまとめる求心力、それにルノーとのタフな交渉にも負けない強いリーダーシップだ。

“新生日産丸”が次のリーダーが決まって船出するのは、おりしもゴーン元会長逮捕(昨年11月)からちょうど1年後となる。果たして新生日産はよみがえるのだろうか。

 西川社長退任の翌日(17日)に筆者はニューヨークタイムズからこの日産の西川社長退任と今後の日産の方向について取材を受けた。海外も含め、世間の関心はやはり「西川社長が退任した日産はこれからどうなるの」ということであろう。

 いずれにしても、新リーダーによる日産の課題は3つ挙げられる。

 まずは、真のガバナンス(企業統治)改革でゴーン長期政権の「負の部分」を一掃すること。次に、一気に業績不振に陥った経営立て直しのメドをつけること。そして、仏ルノーとの関係を再構築(日産・ルノー・三菱自動車連合)できるかということである。

 現状の日産を取り巻く経営環境は大変厳しいものだが、“モビリティ大変革時代”は待ったなしである。新経営体制で求心力を持ったリーダーの登場が期待される。