もちろん、元助役から金品を受け取った関西電力の幹部たちは、社内に対してだけ責任があるわけではない。原子力発電という大変センシティブな問題で、少なくとも地元の有力者と癒着して、利益相反上問題のある発注やお金の流れに関わり、その中で個人的に金品を得ていたのだ。問われているのは倫理であり、社会的責任だ。

「反社会的だったかもしれないが、原発事業を推進するためにやむを得ない行動だった」と被害者のような顔をされても困る。かつて、反社会的勢力との関わりで辞任したり、果ては自殺したりした経営者が何人もいたことを思い起こすべきだ。もちろん自殺などすべきではないが、辞任は必須ではないだろうか。

 企業として改心の姿勢を見せるためにも、問題に関わった幹部たちは一斉に辞任することが経営上得策だろうし、体制を一新して調査を行うのでなければ、社内調査も信用されまい。

 一つには、地域独占の電力会社の場合、顧客が「不買運動」を行うことが難しいので、彼らは辞任のカードを切らないのだろうか。

 食品メーカーなど、怒った消費者の行動が業績に直結する業態では、不祥事企業の社長は粘りが利かない。

日産・西川前社長が見せた「粘り」のなぜ?
結局不正を暴かれて事実上の解任へ

 近年、不祥事企業の経営者が、「常識的には辞めるだろう」と思われても、なかなか辞めなくなったという印象を持つ。